厚労省が俳優や歌手等の「労災未加入」を芸能関係事業者へ警告

 

厚生労働省は1214日、映像製作・演劇などを営む、芸能関係事業主に対し、「短期間でも1人でも事業に労働者として使用した場合は、労災保険に加入する必要があります」と題した告知を掲載した。

 

俳優や歌手等の実演家との契約が「雇用契約」ではなくても、働き方が労働者と同様であると判断された場合には労働者として取り扱われ、労災保険にも加入する義務があるとしている。

 

また、厚生労働省は舞台出演者が労働者であると判断され労災保険が適用された実例として舞台出演者のXさんの例を挙げている。

 

 

Xさんは、出演契約を結んでいるA社の興行する舞台に出演中に負傷したため、労働基準監督署に対して労災保険の請求を行った。

 

Xさんからの請求を受け付けた労働基準監督署が、興行主であるA社から事実関係について聴取したところ、A社は、Xさんとは「雇用契約」ではなく「出演契約」を結んでおり、労働者ではないため事業主としての責任を負うものではないと主張した。

 

労働基準監督署が調査した結果、Xさんは舞台の演技などについてA社が依頼した演出家から細部にわたる指示を受けるなど、A社と指揮監督関係が認められた。

 

また、Xさんのスケジュールの大部分がA社の企画する公演や練習時間で占められており、A社に対する専属性の程度が高いと認められた。

 

これらから、A社とXさんは「雇用契約」を結んでいなかったが、労働基準法第9条の労働者に該当するものとして労災保険給付が行われた。

 

厚生労働省は、労働者と認められる者がいるにも関わらず労災保険に入らなかった場合には、事業主に追徴金や給付された費用の徴収を行う可能性があると警告している。